シンキング・サイクルとそれらを支えるスキル等を解説します.
シンキング・サイクルそのものは,トップページに述べているとおり,探究の学習の過程と同じであり,図の青色のサイクルの部分になります.
青色のシンキング・サイクルの各ステップでは,あらかじめ鍛えられた「情報活用スキル」「ICT活用スキル」,もちろん「言語能力」なども発揮しながら,「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」を行うことが前提となります.
例えば「情報の収集」では,情報の収集のスキルを発揮する訳ですが,その際に「見方・考え方」を働かせて情報の収集をしたり,「見通し」をもって情報の収集をしたりします.こういった点が「情報の収集」の単なる発揮やスキルトレーニングとは異なると考えており,シンキング・サイクルに位置づける理由と考えています.
情報の収集そのものは,例えばグラフを読み解くなどスキルとして鍛えることはできます.しかし,生きて働く力にするためには,こうしたシンキング・サイクルといった問題解決の過程において,実践的に発揮していく事が必要となります.つまり,状況の中で学習する段階と考えています.
加えて,グループやペアで行うなどの協働学習を行うことも考えられます.
必要であればICTの活用も行います.整理・分析においてグラフを作成する際や,まとめ・表現においてプレゼンテーションを行う際などに,ICTを用いることは充分にあり得ると考えられます.
こういった学習過程の考え方は,「主体的・対話的で深い学び」とも適合していると考えています.
下側の黄緑色は,「情報活用スキル」「ICT活用スキル」を鍛えることを示しています.グラフ作成であれば,どのようなグラフで表現することが正しいか或いは分かりやすいかといったことを考え実行できることを「情報活用スキル」,一方で,表計算ソフトの操作を身につけて単にグラフが描けるようになることを「ICT活用スキル」と示しています.
最下部の桃色は,「学習規律」「ICT環境整備」です.言うまでもないことをあえて示しています.シンキング・サイクルが本格的に動き出せば,大人である我々もコンピュータなしで問題解決することはもはや不可能に近いように,ICT抜きで活動することは困難です.そこで,その基盤となるICT環境整備が必要と考えています.
また,各自が課題をもって自由に活動するとなると,一定の規律が必要となります.例えば,タブレットPCを子供に配布すれば,タブレットPCに子供は集中しているようにみえますが,それが学習に集中しているかどうかは分かりません.そういった意味で,自らを律して学んでいく姿勢づくりが必要であると考えました.